大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和46(オ)295 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人長戸路政行の上告理由について。

原判決は、本件公正証書は、被上告人を代理する権限のない沈聖求が被上告人の

代理人として公証人にその作成を嘱託し、かつ、執行受諾の意思表示をして作成さ

れたものであることを認定しており、右認定は挙示の証拠関係に照らして是認でき

なくはない。

右認定事実によれば、本件公正証書の効力は被上告人に及ばないものといわなけ

ればならない。そして、本件公正証書が被上告人に対する関係でその効力を生じな

い以上、本件公正証書にもとづき同人所有の本件不動産についてされた本件強制競

売手続は、同人に対する関係では債務名義なくしてされたものというべきであるか

ら、その強制競売手続は同人に対する関係では効力を生ぜず、競落人は同人に対し

てその所有権の取得を主張しえないと解するのが相当である(最高裁昭和三九年(

オ)第一三七一号同四三年二月二七日第三小法廷判決・民集二二巻二号三一六頁参

照)。

そうすると、上告人は、本件不動産を競落しても、右不動産の所有権を取得して

いないものというべきである。原判決の判断は正当であつて、諭旨は採用すること

ができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

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裁判官 関 根 小 郷

裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 江 里 口 清 雄

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